Stream の説明書
キーの表記

Excel の工程表を、表とガントで編み直して、Excel に書き戻す。

Stream は WBS(工程表)とガントチャートの編集アプリです。Mac・iPad・ブラウザの 3 つがあり、どれで開いても同じ工程表になります。この説明書は、はじめて触る人が一通り使えるようになるまでを、実物の工程表と、その場で動かせる見本を交えて案内します。

2026 年 9 月 5 日時点 ・ Mac / iPad / Web ・ 見本は「品質マネジメント SaaS 導入」70 行(この文書の中で動きます)

1. Stream とは

現場の工程表は、たいてい Excel で生きています。行を足し、字下げで階層を作り、日付のセルを塗ってガントにする。Stream はその Excel をそのまま読み込み、アウトライン表とガントで編み直して、また Excel に書き戻すためのアプリです。

ふつうの工程管理ツールは「自分の形式に取り込んで、Excel はおまけで吐き出す」ことが多いのですが、Stream は逆です。Excel の工程表を第一級の入出力として扱い、読んだものを壊さず、書き戻したものが読み手の Excel でそのまま使えることを設計の芯に置いています。

できること

Excel の工程表を読み込む。行を足す・字下げする・並べ替える。日付をバーで動かす。先行の約束を書く。営業日で数える。Excel と JSON に書き戻す。

覚えること

3 つだけです。親の行は自分で書かない(子から計算されます)。1 つの操作は 1 回で取り消せる日数は営業日

しないこと

元の Excel を勝手に書き換えません。手で置いた日付を黙って動かしません。読めなかった行を黙って捨てません。

3 つの面と、1 つの契約

Stream には Mac アプリ・iPad アプリ・Web 版の 3 つの面があります。見た目は少しずつ違いますが、中身の規則は 1 つの「契約」に書かれていて、Mac / iPad 側と Web 側がそれぞれ実装し、同じ答えを出すかを機械で突き合わせています。だから、どの面で開いても同じ工程表です。Web 版はサーバー側が正で、ブラウザは命令を送って結果を描くだけ、という作りになっています。

Excel .xlsx 読む ⇄ 書き戻す MacSwiftUI ・ 書類 .stream iPad同じ SwiftUI ・ 書類 .stream Webブラウザ + サーバー(Python) 契約(spec) 書類の形(JSON Schema) 編集コマンドの意味 派生値の計算(WBS・日数・進捗) Excel のレイアウト 先行と営業日の規則 正解の見本(フィクスチャ) 両実装が同じ答えを出すことを 毎回機械で突き合わせる この説明書のデモ 同じ契約を JavaScript に 移して、その場で動く
左が Excel、中央が 3 つの面、右がそれらの共通の規則(契約)。この説明書に埋め込んだ「動く見本」も同じ契約から作ってあり、契約の正解の見本 30 件と 70 行の実物で答え合わせをしています(列の追加・絞り込み・検索と置換・Excel の往復は見本に入れていません)。

見本の工程表

この説明書の例と「動く見本」には、製薬・医療機器の現場に品質マネジメント SaaS を導入するプロジェクトの工程表を使います。9 つの工程・70 行・2026 年 9 月から翌年 4 月まで。立ち上げから要件定義、設計、構築、バリデーション(IQ / OQ / PQ)、データ移行、手順書と教育、稼働判定、定着まで、規制産業の導入プロジェクトの型どおりに並んでいます。実在の製品名・社名・人名は入れていません。Excel(.xlsx)Stream 書類(.stream) の両方を置いてあるので、手元のアプリで開いて同じ工程表を触れます。

Mac 版で見本の工程表を開いたところ
Mac 版で見本を開いたところ。左が表、右がガント。工程ごとに色が付き、今日の日付には赤い印が入ります。

2. 3 分でわかる画面

画面は 2 面 1 枚です。左が表、右がガント。モード切替も設定画面もありません。表で直してもガントで直しても、同じ 1 つの操作になります。

画面の地図 — Mac 版の画面に番号を振ったもの

iPad と Web も、同じ地図で読めます

Web 版の画面
Web 版。道具棚は Mac と同じ絵柄・同じ並びで、行操作のボタンが常に並びます。表の右に先行や自分の列が続き、横にスクロールして見えます。日付は 2026-09-01 の書き方です。
iPad 版の画面(縦向き)
iPad 版。縦向きでも表が優先され、ガントは右に続きます。道具棚には追加・字下げ・字上げ・折りたたみ・削除が常に並びます(iPad にはカスタマイズの画面が無いため)。

まず、さわってみてください

下の見本は、この説明書の中で動く小さな Stream です。行をクリックして選び、道具棚のボタンや ⌘] で字下げ、棒をつかんで日付を動かし、⌘Z で戻す。壊れても「見本に戻す」(いちばん右のボタン)で元どおりです。キーの表記は右上の「Mac / iPad / Web」で切り替わります。

この部分は JavaScript が動く環境で、実際に操作できます。

3. 入手と起動

面によって届き方が違います。Mac はアプリを 1 個、Web は実行ファイルを 1 個。iPad は現時点では開発者が Xcode から入れる形です。

必要なもの入れ方・起動いま提供している形
MacmacOS 26 以降(Apple シリコン・Intel)DMG を開いて Stream をアプリケーションへドラッグ。Launchpad か Dock から起動。Developer ID で署名した DMG(公証はまだ)。ダウンロードや AirDrop で受け取ると macOS の門番が止めるので、システム設定の「プライバシーとセキュリティ」で「このまま開く」を選びます。USB や共有フォルダで受け取れば止まりません。
iPadiPadOS 26 以降ホーム画面の Stream を開くと書類ブラウザが出ます。「書類を作成」か、既存の .stream を選びます。Xcode からのビルド(開発者向け)。App Store / TestFlight での配布はまだありません。
Webブラウザ(Safari / Chrome など)実行ファイルをダブルクリックすると黒い窓が出て、ブラウザに画面が開きます。開かなければ 127.0.0.1:8765 を住所欄へ。終わるときは黒い窓を閉じます。Mac / Windows / Linux 用の実行ファイル 1 個(Python 本体ごと同梱・約 23 MB)。開発者は uv run stream-web --open でも起動できます。

Web 版は自分のパソコンの中だけで動くのが既定です。同じ Wi-Fi の iPad やスマホから使いたいときは scripts/serve-web.sh --lan で合言葉つきの URL を出し、出先からなら Tailscale のような私設ネットワークを重ねます。合言葉なしで外へ開くことはできません(起動が止まります)。

Web 版を開いた直後の画面
Web 版を開いた直後。Excel か .stream をこの窓に落とすか、右上の「開く」から選びます。「新規」で空の工程表も始められます。
Mac の DMG で「開発元を検証できません」と出たとき

いまの DMG は署名までで、Apple の公証は済んでいません。ダウンロード経由で受け取ると macOS が隔離の印を付け、門番が止めます。システム設定 › プライバシーとセキュリティ の下の方に「このまま開く」が出るので、それを 1 回押せば以後は普通に開きます。身内に配るなら USB メモリか共有フォルダで渡すのがいちばん簡単です。

4. 開く — Excel・Stream 書類・新規

入口は 3 つです。Excel を開いたときだけ、いったん「読むだけ」の画面になります。元の Excel を壊さないためです。

Excel を開く.xlsx(Mac / iPad は .ods .numbers も) Stream 書類を開く.stream(中身は JSON) 新規空の行が 1 つある書類 読むだけの画面(プレビュー)列の解釈と飛ばした行を告げる帯 「Stream 書類として編集」 編集画面 Mac / iPad: 書類として自動保存 Web: サーバーの中の計画(セッション) 書き出しで Excel / JSON に戻る
Excel は「プレビュー → 書類にする」の 2 段、Stream 書類と新規はそのまま編集画面へ。Web 版は Excel を開くとすぐ編集画面になり、元の Excel は触りません。

Excel を開いたとき

Excel を開いたときのプレビュー画面
Mac で .xlsx を開いたところ。上の帯に「プレビューです。Excel ファイル自体は変更されません」と出て、右の「Stream 書類として編集」で無題の書類ができます。iPad では「Stream 書類として保存…」で .stream の保存先を選びます。

取り込んだときに「どの列を何と見なしたか」「読めなくて飛ばした行」は、帯(バナー)に出ます。黙って捨てません。見出しは日本語でも英語でも通ります(「タスク名」でも「Task Name」でも)。階層は WBS 番号の点の数、名前の字下げ(半角でも全角でも)、Excel の行のグループ、の順に見て決めます。日付は日付セルでも数字でも「2026/9/14」の文字でも読み、全角の数字も直します。進捗は書式に % があるときだけ 100 倍します。知らない見出しの列は読み捨てず、自分の列として取り込みます。

ここで開けるのは .xlsx です。Mac と iPad は加えて .ods(LibreOffice)と .numbers(Apple Numbers)も開けます。Numbers が 1 つのシートに複数の表を持っていても、見出し行のある表を探して読みます。

iPad で開く

iPad の書類ブラウザ
iPad は書類ブラウザから始まります。「書類を作成」で新規、下の一覧から .stream か .xlsx を選んで開きます。「このiPad内」の Stream フォルダに置いたファイルも、iCloud Drive のファイルもここに並びます。

空の書類から始める

新規の書類には空の行が 1 つあります。Mac では「最初のタスクを追加」の案内が出て、⌥↓ か「タスク」メニューから足せます。Excel の工程表をこの窓に落として開くこともできます。iPad は道具棚の +、Web は「新規」ボタンです。

5. 行を編む

行の操作は道具棚・メニュー・右クリック・キーボードのどれからでも同じです。キーボードだけでも工程表を組み上げられます。

したいことキー起きること
下に空白行⌥↓選んだ行の部分木の直後に、同じ段の空行。足した行は一瞬光ります(Mac / iPad)
上に空白行⌥↑選んだ行の直前に、同じ段の空行
字下げ⌘] または ⇥1 段下げて、上の行の子になります。上の行は親になり、日付・進捗は子から計算される値に変わります
字上げ⌘[ または ⇧⇥1 段上げます。続いていた兄弟はこの行の子になります(下の図)
上へ・下へ移動⌃⌘↑ / ⌃⌘↓子ごと、1 つ上/下の置ける場所へ。親をまたいで隣のグループの端へも移ります
表の端へ⌘↑ / ⌘↓ / ⌘← / ⌘→いちばん上・下の行、左・右の列へ飛びます。⇧ を足すと、そこまで矩形が伸びます(Excel・Numbers と同じ)
削除⌘⌫その行と、その下の行ごと消えます。⌫ だけならセルの値だけ消えます
マイルストーン⇧⌘M1 日だけの節目(◆)にする/戻す。日付があれば終了=開始になります
折りたたむ・展開⌘. または ⌥← / ⌥→子を持つ行を閉じる/開く。名前の左の ▾ でも
全部たたむ・全部開く⌥⌘− / ⌥⌘=子を持つ行を、すべて閉じる/開く
行を並べ替えるドラッグNo. か WBS のセルをつかんで上下へ。子ごと動き、置ける場所に吸い付きます(Mac / Web)

親の行は、自分では書かない

字下げすると親ができます。親になった行の開始・終了・進捗はその場で外れ、以後は子から計算されます。開始は子の最も早い開始、終了は最も遅い終了、進捗は子の日数で重みづけした平均です。元に戻しても手入力した値は戻りません — 親の値は「保存しない」と決めているからです。この決まりのおかげで、Excel に書き出して読み戻しても、工程表は必ず元と同じ形になります。

字上げの前 1. 要件定義 1.1 現行業務の棚卸し 1.2 要求仕様書の作成 ◀ 選んで字上げ 1.3 影響評価 1.4 要件凍結 2. 設計 字上げの後 1. 要件定義 1.1 現行業務の棚卸し 2. 要求仕様書の作成 2.1 影響評価 2.2 要件凍結 3. 設計 続いていた兄弟が子になる
字上げは「その行だけを持ち上げる」のではなく、後ろに続いていた兄弟を連れて上がります。Excel のアウトラインと同じ振る舞いで、番号は自動で振り直されます。先行の番号(1.3 と書いてあった約束)も付け替わります。

やってみる

試す下の見本で「推進体制と役割分担の確定」を選び、⌘] を押してください。「プロジェクト計画書の作成」が親になり、日付が灰色の計算値に変わり、「キックオフ」の先行が 1.1.1 に付け替わります。⌘Z で戻ります。次に「2. 要件定義」の ▾ を押して畳み、⌥↓ で行を足してみてください。

この部分は JavaScript が動く環境で、実際に操作できます。

子を持つ行は、スクロールしても上に残る

長い工程表を下へたどると、いま見ている行が「どの工程の、どの作業の下か」を見失いがちです。Stream では子を持つ行が、iOS のリストのセクション見出しのように、次の兄弟が来るまで上に留まります。何段でも入れ子になり、押し出される瞬間は親の下へ滑り込みます。Mac / iPad / Web の 3 面とも同じ規則です。上の見本を下へスクロールすると、工程の行が上に残るのが見えます。

スクロール中に工程の行が上に留まっている
「3. 設計・構成」の途中まで下りたところ。工程の行が上端に留まり、その下に続く行が読めます。

6. 日付を置く・ガントで動かす

日付の入れ方は 3 つあります。表の開始・終了のセルに打つ。インスペクタの日付欄で選ぶ。ガントの棒をつかんで動かす。どれも同じ 1 つの操作です。

日数は営業日です。週末と休みを飛ばして数え、出勤日にした日は数に入ります(8 章)。だから 9 月 1 日(火)から 9 月 7 日(月)は 7 日ではなく 5 日です。

スケールと今日

ガントの目盛りは日・週・月の 3 段です。日は 1 日 28 ポイント、週は 8、月は 2.4 と密度だけが変わり、モデルは常に日単位のままです。Mac では表示メニューの ⌘1 / ⌘2 / ⌘3 でも切り替わります。「今日へ」(⌘T)で、今日が見えるところまでガントが送られます。ガントに出る名前は「表示 › ガントの名前」で消せます。

週スケールのガント
Web 版で週スケールにしたところ。月の境に線、週の始まりに日付。工程ごとの色は同じです。
Mac の表示メニュー
Mac の表示メニュー。日/週/月(⌘1 / ⌘2 / ⌘3)、今日へ(⌘T)、インスペクタ、ガントの名前、絞り込みの解除が並びます。道具棚のカスタマイズもここです。

やってみる

試す下の見本で「基本構成の設定」(4.2)の棒を左へ 3 日ほど動かしてください。その行の先行「4.1, 3.8SS-3」のうち破れた約束の線が橙になり、帯に「先行の約束が N 件、日付と合っていません」と出ます。棒の右端をつまんで伸ばす、週スケールに切り替える、も試せます。

この部分は JavaScript が動く環境で、実際に操作できます。

7. 先行 — 「この後にやる」を書く

先行列に 1.2 と書けば「1.2 が終わってから始める」という意味です。種類と遅れも書けます。約束を書けば日付はその場で揃い、手で置いた日付は尊重されます。

FS 終了 → 開始1.2 (既定。遅れ 0 なら番号だけ) 前が終わった翌営業日から SS 開始 → 開始1.1SS+2 (前が始まって 2 営業日たったら) 並走。追い越しだけ止める FF 終了 → 終了3.6FF+2 (前が終わって 2 営業日後まで終わらせない) 締め切りを揃える SF 開始 → 終了8.6SF (本番が始まるまで、旧システムを止め終えない) 後続の終わりを前の始まりに縛る 青 = 先行、緑 = 後続。遅れ(+2 / -1)は営業日で数え、負なら前倒しです。区切りは「,」。
4 種類の書き方。見本の工程表には 4 種類とも出てきます。「1.2+3」のように種類を省くと FS+3、大文字小文字は問いません。
書くもの意味
1.21.2 の終了 → 自分の開始(FS・遅れ 0)
1.2FS+3同上、3 営業日空ける
2.1SS-12.1 の開始の 1 営業日前から始めてよい
3FF+23 の終了の 2 営業日後まで終わらせない
4SF4 の開始の翌営業日まで終わらせない
2.5, 2.6両方が終わってから(複数は「,」で)

約束を書いた直後だけ、日付が揃う

先行を書いたり直したりしたその瞬間だけ、後ろのタスクが約束を満たすところまで押されます。取り消しは 1 回で両方戻ります。一方、棒をつかんで動かした日付や、セルに打った日付は揃え直しません。現場の工程表は必ず約束を破るからです。破れた約束は警告色(橙)で見せるだけにして、揃えるかどうかはあなたが決めます。

揃えたいときは「先行に合わせて日付を整える」(⇧⌘L)を押します。これは押すだけで、伸ばしません — 約束を破っている行だけを、満たすまで後ろへずらし、日数は保ちます。約束を守っている行は 1 日も動きません。前へ引き戻すこともしません。

先行にできないものが 3 つあります。自分自身、自分の親や子(親の日付は子から来るので、それ自体が堂々巡りになります)、そして一周してしまう関係です。字下げや移動の結果そうなったときは、あなたが頼んだ構造の変更を優先し、その約束のほうを落とします。

やってみる

試す下の見本で「ベンダー内動作確認」(4.7)の先行セルに 4.4FF+1, 4.5, 4.6 と入っています。これを 4.6 だけにして Enter を押すと、その場で日付が揃います。次に「逸脱・CAPA ワークフローの実装」(4.4)の棒を右へ 5 日動かし、橙になった線を見てから「先行に合わせて日付を整える」を押してください。後ろの行だけが押され、前の行は動きません。

この部分は JavaScript が動く環境で、実際に操作できます。

8. 営業日カレンダー

「日数」を決めているのがこれです。週の型と、両方向の例外でできています。インスペクタの「プロジェクト」の中にあります。

週の型どの曜日を休むか(既定は土・日) 例外(両方向) 休み = 週の型では働く日だが休む(祝日・年末年始・会社の休業日) 出勤日 = 週の型では休みだが働く(振替出勤)。例外は週の型より強い 2026 年 9 月 123456 7891011 12 13 21敬老の日 = 休み(灰色の帯になる) 12土曜だが出勤日 = 日数に入る
週の型(どの曜日を休むか)に、休む側の例外と働く側の例外を重ねます。ガントでは働かない日が灰色の帯になり、棒の日数はその帯を飛ばして数えます。
インスペクタのプロジェクト設定
Mac のインスペクタ「プロジェクト」。プロジェクト名、No. 列と WBS 列の表示、週末の曜日、自分の列、休み(登録ずみ 12 日)、日本の祝日(年を選んで 1 押し)、休業期間、と続きます。

休みは 1 日ずつ足せるほか、日本の祝日を年ごとに 1 押しで足す/外すボタンと、休業期間をまとめて休みにする欄があります。祝日の日付は内閣府の公式一覧と照合してあり、公布されていない先の年は祝日法からの計算値だと断って出します。振替出勤は「出勤日」に足します。同じ日を休みと出勤日の両方にはできません。

カレンダーは工程表と一緒に保存され、Excel には人が読んで直せる「カレンダー」シートとして書き出されます(11 章)。

やってみる

試す下の見本はインスペクタを開いた状態です。「プロジェクト」の週末で「土」を外すと、日数が増えてガントの灰色の帯が消えます。「追加 2026 年の祝日」を押すと 9 月 21 日(敬老の日)などが休みになり、その日をまたぐ棒が伸びます。出勤日に 2026/9/12 を足すと、土曜の帯が 1 本だけ消えます。

この部分は JavaScript が動く環境で、実際に操作できます。

9. 列 — 自分の列・並び・絞り込み

担当会社・工数・成果物など、必要な列を 20 本まで足せます。列の並びと幅は工程表の一部で、Excel にもそのまま出ます。絞り込みは画面だけのものです。

自分の列を足す

インスペクタの「プロジェクト › 列」で、型と名前を決めて足します。型は 4 つです。

入るものExcel でどうなるか
文字なんでも(改行も可・500 文字まで)ふつうの文字セル
数値数。全角も桁区切りも受けて整えます数値セル
日付YYYY-MM-DD ほか緩く受けます日付セル
選択候補から選ぶ。候補外の値も入りますドロップダウン(リスト外を弾かない設定)+「選択リスト」シート

「選択」はリストであってルールではありません。現場の工程表は必ずリストから漏れる値を持つので、候補にない言葉を書いても間違い扱いしません。Excel 側でも同じ意味になるよう設定しています。列の名前と候補は後から変えられますが、型は変えられません(値の意味が変わるため。消して足し直します)。列を消すと、全部の行のその値も消えます。

インスペクタでタスクの詳細と自分の列を編集しているところ
Mac のインスペクタ。上が選んだタスクの詳細(名前・担当・日付・進捗・マイルストーン・先行)、その下に自分で足した列(担当会社・工数・GxP 影響・成果物)、備考、表示の設定と続きます。

並びと幅

列の見出しをつかんで左右へ動かすと並びが変わり、見出しの境をつかむと幅が変わります。どちらも工程表に保存され、Excel の列の順番と幅になります。「全員に同じに見えてほしい」ものだからです。備考だけは表に出さず、インスペクタで書きます。

No. 列と WBS 列

左端の No. は「全体の何行目か」を示す行の見出しで、折りたたみや絞り込みで行が隠れても番号は飛びます(1・5・9…)。Excel の行番号と同じ考えです。No. と WBS は「プロジェクト」の設定で消せますが、値を持つ列(担当や日付)は消せません。画面から消すことが Excel から消すことに化けて、データが落ちるからです。WBS を消しても Excel には隠し列として書き出します(手書きの Excel の階層は WBS 列の点の数から読むため)。

固定する列

表の右端の縦線が「固定する列」の境界です。ドラッグかインスペクタの「固定する列」で数を変えます。Mac / iPad ではこの線より右の列は表に描かず、インスペクタで直します。Web では右へスクロールすると出てきます。

絞り込み

列の見出しの漏斗を押すと、その列の値の一覧が出ます。チェックを外した値の行が隠れ、隠れた行の親は薄く残ります(字下げの意味が消えないように)。列どうしは AND、空欄も 1 つの値、1 つも選ばなければ何も出ません。絞り込みは画面だけのもので、工程表にも Excel にも残りません。人ごと・その場ごとに違ってよいからです。Mac では漏斗はポインタを見出しに乗せたときだけ現れ、iPad と Web では常に見えています。解除は道具棚の漏斗(絞り込み中だけ出ます)か、表示メニューの「絞り込みを解除」です。

担当の列を絞り込んでいるところ
Web 版で「担当」の漏斗を開いたところ。値ごとの件数が出て、検索で候補を絞れます。

10. 表計算らしい編集

表は「選んでから直す」です。1 回目のクリックで選び、もう一度クリックか Enter で直す。矩形に選んでコピーし、貼り付け、検索して置き換える。Excel で手が覚えていることが、そのまま通ります。

検索と置換の帯
検索と置換の帯(Web 版)。左から検索語、正規表現、大文字小文字、前へ/次へ、置換後の文字、置換、すべて置換。Mac / iPad も同じ並びです。

11. Excel との往復

書き出した Excel は 3 枚の見えるシートと、1 枚の見えないシートでできています。工程表の中身はどの形式でも往復し、落ちるのは見た目と入力補助だけです。

WBS 表(列の並びと幅もそのまま)+ 日ごとの目盛りのガント 塗りは条件付き書式 — Excel で日付を直すと棒も動く 行のグループ(折りたたみ)・枠固定・隠し列も書く 選択リスト「選択」型の列の候補人が Excel で直せる カレンダー週末・休み・出勤日読んで直せる。常に作る _stream(隠し)行と id の対応・表示の設定シート名や見出しの設定表が常に真。これは目印無くても読める 読むとき 見出しの言い方から役割を判断 (日本語でも英語でも) 階層は WBS の点 → 字下げ → 行のグループの順に見る 読めない行は帯で告げる
書き出した Excel の中身。WBS シートの塗りは条件付き書式なので、Excel の上で日付を直せば棒もついてきます。人が直すものは見えるシートに、目印だけを隠しシートに置いています。

シート名や列の見出し、書き出すフォントはインスペクタの「Excel」で変えられます(英語の一式にも切り替えられます)。読むときは名前に頼らず、見出しの言い方からも判断するので、どの言語で書かれた表も同じ工程表になります。

書き出せる形式

Mac では「ファイル」メニュー、iPad と Web では道具棚の書き出しボタンから選びます。Mac と iPad は Excel(.xlsx)・OpenDocument(.ods)・Numbers(.numbers)・JSON(.stream)の 4 つ、Web は Excel と JSON の 2 つです。書き出したあとに、その形式で落ちたものの一覧が出ます。

Mac のファイルメニュー
Mac のファイルメニュー。いちばん下に 4 つの書き出しが並びます。書類そのもの(.stream)は自動保存されるので、書き出しは「人に渡す形にする」操作です。
.xlsx.ods.numbers
工程表の中身(往復)
見た目(色・太字・罫線・列幅)
ガントの棒
日付を直すとバーも動く塗ったまま塗ったまま
折りたたみの三角畳んだ状態だけ残る
選択リストのドロップダウン××
見えないシート(_stream)見えてしまう

Numbers は表示形式の「%」を描きません(値は 0〜100 のまま)。Numbers 版はセルを直に塗るぶんファイルが 3 割ほど大きくなります。

往復で失われるもの(正直に)

12. 取り消しと保存

確定した編集 1 つが、取り消し 1 回です。祝日を 18 日まとめて足しても、すべて置換しても、1 回です。

文字を打っている途中では何も起きません。Enter か、他をクリックしたときに確定します。Mac の編集メニューは「取り消す - 字下げ」のように何を取り消すかを名前で言います。

Mac / iPad — 書類 .stream は書類として自動保存される 閉じる・複製・名称変更・バージョンを戻す は OS の作法どおり iCloud Drive に置けば iPad と Mac で同じ書類 Excel を開いただけのときは元ファイルに書かない (書けるのは .stream だけ、と決めてある) Web — サーバー側が正 編集はその場でサーバーに保存され、閉じても消えない ブラウザは命令を送って結果を描くだけ 同じ計画を別の窓や Claude から触っても数秒で追いつく 先に誰かが変えていたら「読み直しました」と告げる (後勝ちで黙って上書きしない)
Mac / iPad は書類の作法、Web はサーバーの作法。どちらも「黙って失わない」ことを優先しています。

13. Mac・iPad・Web の違い

できることは同じです。違うのは、入れ物と手触りです。

項目MaciPadWeb
入手DMG(署名済み・公証はまだ)Xcode からのビルド実行ファイル 1 個、または uv run stream-web
工程表の入れ物書類(.stream)。自動保存書類(.stream)。自動保存。書類ブラウザから開くサーバーの中の計画(セッション)。閉じても残る
Excel を開くとプレビュー → 「Stream 書類として編集」で無題書類プレビュー → 「Stream 書類として保存…」で保存先を選ぶすぐ編集画面。元の Excel は触らない
開ける表計算の形式.xlsx / .ods / .numbers.xlsx / .ods / .numbers.xlsx
書き出しExcel / OpenDocument / Numbers / JSON(ファイルメニュー)同左(道具棚から)Excel / JSON(道具棚から)
道具棚行操作は既定で外し、カスタマイズで戻せる行操作が常に並ぶ行操作が常に並ぶ。新規・開く・取り消しも道具棚に
メニューファイル/編集/表示/タスク。道具棚の操作は 1 つ残らずメニューにもあるキーボードをつなげば同じキーが効くブラウザのメニューのみ。操作は道具棚とキー
インスペクタ右に開く(⌥⌘Iシートで出る右に開く
固定する列の右表に描かず、インスペクタで直す同左横にスクロールすると見える
日付の表記(表)2026/9/1(入力・保存・Excel は ISO)同左2026-09-01
矩形選択⇧クリック・⇧矢印・ドラッグ⇧タップ・⇧矢印・2 本指⇧クリック・⇧矢印・ドラッグ・⌘A
漏斗(絞り込み)見出しに乗せたときだけ現れる常に見える常に見える
行の並べ替えNo. / WBS のセルをドラッグ上へ/下へ移動No. / WBS のセルをドラッグ
子を持つ行の固定表示
ダーク表示システムの外観に従う同左ブラウザ(OS)の設定に従う
Claude 連携(MCP)○(Web 版が受付になる)
別の端末からWeb 版の URL を Safari で開ける同じ Wi-Fi や Tailscale 越しに、合言葉つきで
Mac 版のダーク表示
Mac のダーク表示。工程の色・今日の印・固定された見出しはそのまま。
Web 版のダーク表示
Web のダーク表示。同じ規則で色を付けています。
Web 版のインスペクタ
Web のインスペクタは Mac と同じく右に開きます。項目の並びも同じです。
iPad のインスペクタ(シート)
iPad ではインスペクタがシートとして出ます。中身は Mac と同じです。

14. Claude と話しながら使う

Web 版で開いている工程表を、Claude との会話からそのまま読んだり直したりできます。通る入口は画面と同じなので、両方を開いていても食い違いません。

仕組みは MCP という共通の差込口です。Stream の Web 版に小さな受付を付けてあり、Claude Code がそこへ話しかけます。読む(一覧・表・絞り込み・その日付になる理由・点検)、変える(1 項目だけ直す・足す・消す・先行に合わせて押す・取り消す)、出し入れする(Excel を開く・書き出す・空の計画を始める)の 3 群 15 個の道具があります。

あなたの言い方起きること
今どんな工程表が開いてる?開いている計画の一覧が出ます。まずこれ。
今週遅れているタスクは?終了日を過ぎていて 100% でないものだけを拾います。
2.1 がこの日付なのはなぜ?稼働日数・飛ばした土日祝・効いている先行・待っている後続まで説明します。
バリデーション計画書を 3 日後ろへ日付を動かします。先行の約束が崩れたら、その場で教えてくれます。
やっぱり今のは取り消して直前の 1 手が戻ります。
今の状態を Excel に書き出してアプリの「書き出す」と同じファイルができます。

用意は初回だけです。Web 版を起動しておき、リポジトリに置いてある設定(.mcp.json)を Claude Code が読むのを 1 度だけ許可します。配布用の実行ファイルにはこの受付も同梱されているので、--mcp を付けて指すだけで済みます。Excel の読み書きは、あらかじめ決めた 1 つのフォルダ(既定は ~/Documents/Stream)の中だけです。「消して」は下のタスクごと消える、「整えて」は他人のタスクも押す、手で置いた日付は勝手に直さない — この 3 つだけ気をつければ十分です。

15. 困ったとき

親の行に日付を書いても消える
仕様です。親の日付は子から計算されます。子の側に書いてください。
日数が思ったより少ない
週末か休みを飛ばしています。インスペクタの「プロジェクト」でカレンダーを確認してください。
先行を書いたのに日付が動かない
手で置いた日付は尊重されます。「先行に合わせて日付を整える」を押してください。
先行の線が橙になった
約束を破っている印です。壊れてはいません。そのままにしても、整えても構いません。
Excel を開いたのに編集できない
読むだけの画面です。「Stream 書類として編集」(iPad は「Stream 書類として保存…」)を押してください。
取り込んだら行が減った
帯に理由が出ています(見出しが見つからない・日付が読めない・名前も日付も無い、など)。
Excel でカレンダーを直したのに反映されない
シート名が変わっていないか確認してください(既定は「カレンダー」)。
iPad で Excel を開いたら数秒まっ白
読み込み中です。「〜を読み込んでいます…」の表示のあと、プレビューが出ます。
Mac で DMG が「開発元を検証できません」
公証がまだのためです。システム設定 › プライバシーとセキュリティ の「このまま開く」を 1 回押してください(3 章)。
Web 版がブラウザに出ない
黒い窓に書いてある住所(ふつうは 127.0.0.1:8765)を住所欄に貼ってください。すでに開いている窓があれば、2 回目のダブルクリックはその窓を出すだけです。
Web で「別の場所で計画が変わったため読み直しました」と出た
別の窓か Claude が先に変えました。害はありません。もう一度操作してください。
Numbers で _stream というシートが見える
Numbers には隠しシートが無いためです。消さずにそのままにしておけば、読み戻したときの目印になります。
矢印キーが効かない
セルを選んでいるか確かめてください。文字を打っているセルの中では、矢印は文字の間を動きます(打ち始めて開いたセルだけ、確定して隣へ進みます)。

16. キー操作の早見表

3 面の違いを 1 枚に。iPad は外付けキーボードをつないだときの話です。

したいことMaciPadWeb
下に空白行 / 上に空白行⌥↓ / ⌥↑⌥↓ / ⌥↑Alt+↓ / Alt+↑
字下げ / 字上げ⌘] / ⌘[(⇥ / ⇧⇥ でも)⌘] / ⌘[(⇥ / ⇧⇥ でも)Tab / Shift+Tab
行を上へ / 下へ⌃⌘↑ / ⌃⌘↓⌃⌘↑ / ⌃⌘↓⌃⌘↑ / ⌃⌘↓(⇧⌥↑ / ⇧⌥↓ でも)
表の端へ(⇧ で矩形を端まで)⌘↑ / ⌘↓ / ⌘← / ⌘→⌘↑ / ⌘↓ / ⌘← / ⌘→⌘+矢印(Ctrl でも)
行を削除(部分木ごと)⌘⌫⌘⌫⌘⌫ / Ctrl+Backspace
セルの値だけ消すBackspace / Delete
マイルストーンに / 戻す⇧⌘M⇧⌘M道具棚
折りたたむ / 展開⌘.(押すたび交互)・⌥← / ⌥→⌥← / ⌥→Alt+← / Alt+→
全部たたむ / 全部開く⌥⌘− / ⌥⌘=⌥⌘− / ⌥⌘=道具棚
先行に合わせて日付を整える⇧⌘L⇧⌘L道具棚
セルを直す / 確定 / 取りやめEnter・F2・ダブルクリック / Enter / Esc同左同左
矩形に選ぶ⇧クリック・⇧矢印・ドラッグ⇧タップ・⇧矢印・2 本指⇧クリック・⇧矢印・ドラッグ
コピー / 貼り付け⌘C / ⌘V⌘C / ⌘V⌘C / ⌘V(Ctrl でも)
全セル選択編集メニュー⌘A
検索と置換⌘F⌘F⌘F(Ctrl でも)
日 / 週 / 月⌘1 / ⌘2 / ⌘3⌘1 / ⌘2 / ⌘3道具棚
今日へ⌘T⌘T道具棚
インスペクタ⌥⌘I⌥⌘I道具棚
取り消す / やり直す⌘Z / ⇧⌘Z⌘Z / ⇧⌘Z⌘Z / ⇧⌘Z(Ctrl でも)
Mac のタスクメニュー
Mac の「タスク」メニュー。行の操作は 1 つ残らずここにあり、キーも並んでいます。ヘルプメニューの検索からも探せます。